ジェスセラピーは、独自で開発された「こころ理論」と「性こころ理論」に基づく治療技法として性機能障害を治療する方法です。

性機能障害を治療する時はジェスセラピーの原理の背景となる理論の一部を見ていきましょう。

人間の心理は身体(体)の内部に存在して作用しています。心理作用をする時は必ず身体作用も伴われ、外部情報を心理で認知する時も、外部へ心理を表現する時も身体作用が必要です。

まず、外部の情報を心理で認知する時は必ず身体を通して心理に伝達され、この時、身体は5つの感覚器官である目の視覚、耳の聴覚、皮膚の触覚、鼻の嗅覚、舌と口の味覚などが同時に作用して外部の情報を認識します。

これを外部情報の現象に対する認識（現象認識）と言います。

この現象認識は、身体の感覚器官を経て感覚情報に転換されて思考に伝達されます。思考は心の一部分である意識で感覚と感情を自覚させる役割をします。この思考は、一つの現象に対する感覚情報を総合して気分(感情)に転換しますが、この時の一時的に感じられる瞬間的な自覚を「気分」と呼びます。

次に、気分(感情)を外部に表現する時を見てみましょう。自分の中に発生した気分(感情)を表現するときも必ず身体を通じて表現されます。身体を介して言葉、行動、表情が同時に作用して気分(感情)が表現されます。これを表現(心理表現)と言います。

この際、感情を外部に表現する過程は無意識の習慣によって行われます。意識で思考したものは表現されるもののごく一部であり、残りの言葉、行動、表情は無意識の作用によって表現されます。無意識は自覚できない一定のパターンがあり、感情を処理する時や感情を外部に表現する時に作用します。

このように感情を外部に表現する時は、意識の思考で自覚できる一部の表現とともに無意識的な表現が統合されて身体の言葉、行動、表情をとおして現れるのです。